切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

切手趣味週間ビードロ:使用済

日本切手の使用済みで、田形のものはなかなか手に入らない。これも見かけた瞬間に入手。切手市場やオークションなどが最近あまり盛んではないので、少ない機会は頑張ってゲット。ビードロは個人的には、月に雁や見返り美人よりも切手趣味週間としては好きな…

中国語訳「共産党宣言」100年記念切手

中国人民共和国から去年でた、中国語訳『共産党宣言』100年記念の切手です。訳者の陳望道の肖像と訳書の書影が掲示されてます。ウクライナのレーシャ・ウクライーンカ切手も広義マルクス切手ではありますが、こちらはマルクスの肖像が印刷されているもので、…

第一次文化人切手:使用済

日本の使用済切手の方が、カタログ価格は断然に安いのに、収集するのは格段にハードルが高く驚いています。この文化人切手は、杉原四郎先生の『切手の思想家」にも多く採録されてますが、やはり状態のいい使用済はそれほど目にすることはないです。これは郵…

レーシャ・ウクライーンカ生誕150年記念切手(ウクライナ2020年発行)とウクライナ語版『共産党宣言』

ウクライナから昨年出たレーシャ・ウクライーンカ生誕150年切手。レーシャはウクライナを代表する詩人、社会活動家として著名で、僕はこの切手をみるまで知らなかったが、語学の才能を活用しものすごい量の文章や活動を残している。切手は彼女の代表作である…

レーニン生誕150年記念切手byロシア

ロシアから去年出た、レーニン生誕150年切手の田型。買ってから家でよくみたら耳紙のところに、レーニンの直筆原稿の一部と思われるものがデザインされてる。シートまるごと写している画像をチェックすると本人のサインもシート地にはあるよう。これは全体の…

アメリカのクリスマス切手(2020年)

アメリカのクリスマス切手の両面ペーン。18世紀ペルーの画家による聖母子像(グアプロの聖母)。とてもいいデザイン。

バチカン市国発行のティエポロ没後250年切手

2021年1月ののWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、バチカン市国発行のティエポロ没後250年、ベトナムの新型コロナウィルス切手、フランスのラファエロ没後500年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚…

日本の使用済み切手:第四回国体

日本の使用済み切手は本当に集めるのが難しい。未使用より値段は安くても手に入らないという「機会費用」を考えたら、実際の価格は未使用よりも高いものが多い。 郵趣サービス社がネットで販売する使用済み切手は、なかなか選球眼がよいものが多い。そこで購…

セネカの切手

「セネカの書は人生の教えとして愛読されたが、この切手はアメリカ大陸発見500年記念の六枚セットの一枚である」(杉原9頁)。 ここではそのスペインから1986年に出された6枚セットをすべて掲示しておく。なおFDCも保持しているので後日、画像をアップする予…

デモステネスとゼノンの切手

「雄弁家デモステネスの切手はメキシコからストア派の祖ゼノンの切手は、キプロスから出ている」(杉原9頁)。 前者(画像左)は、アメリカのヒスパニック系住民の英語の読書き障害に関する会議を記念して出されたもの。

デモクリトスの切手

「マルクスは青年期にデモクリトスの唯物論哲学の研究で博士号を得た」として、杉原四郎先生は、ギリシャから1983年に出たデモクリトスの切手を紹介した。デモクリトスの彫像と原子(アトム)のデザイン。

アリストテレスの切手

『切手の思想家』(杉原四郎著、未来社)の人物切手は、その切手の画像が掲載されているものは二年程前にほぼ集め終えた。いまは文章中に触れられてるものや、関連するもの、新しいものを集めて、切手収集からの杉原四郎の思想研究とでもいう切り口の研鑽中…

クワンザ祭り切手(2020)

アメリカとエジプト切手の頒布会に入っていて、エジプトはまれにしか頒布はないが、アメリカは毎月コンスタントに頒布があり嬉しい。今月は三種類で、ハヌカ祭(ユダヤ教徒のお祭り)と冬の風景の両面ペーン、そして画像のクワンザ祭である。 頒布会でもらっ…

ブルース・リー生誕80年

ブルース・リー生誕80年の記念切手が香港から出た。小型シート二種類と単片が6枚という豪華な布陣である。ブルース・リーがいま生きていたらもうそんなに年なのか、と驚く。僕は日本でのブルース・リーブームの第一世代だろう。ヌンチャクを手製で作ったり、…

ボリス・ヴィアン生誕100年(続

以前エントリーしたボリス・ヴィアン生誕100年切手 https://tanakahidetomi.hatenadiary.jp/entry/2020/08/03/000541 の続きです。 単片とは同じデザインで額面が違い、このシートを組み立てると箱と小冊子の二種類がこのシートから作れるということです。た…

ベルタ・フォン・ズットナー

ノーベル平和賞を受賞したオーストリアの作家であり活動家だったベルタ・フォン・ズットナー(1843-1914)の切手が、ジョージアから2020年に出た。ズットナーはアルフレッド・ノーベルの秘書兼家政婦でもあったが、その報いで平和賞をもちろん受賞したわけで…

アメリカ「イノベーション」切手

アメリカ切手頒布会の先月(2020年12月)の分に含まれていたもの。イノベーションといえば、シュンペーターという脊髄反射しがちですが(笑。 『郵趣』の2021年1月号に椙山哲太郎氏の解説が掲載されているので、それに依拠すると、アメリカのような切手の発…

ストラディバリ誕生375年

2020年12月ののWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、北マケドニアのストラディバリ誕生375年切手、パキスタンの日本の国際協力切手、ロシアのカラシニコフ生誕100年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三…

中央アフリカ帝国のレーニン切手

英国の代表的な切手カタログ「ギボンズ」の発行元から出ている「ギボンズ・スタンプ・マンスリー」をたまに切手の博物館で興味のある記事だけコピーして読んでいる。ちょっと前になるが2020年11月号で、いわゆるデッドカントリーの切手を扱っている連載にレ…

愛国切手

今月号(2020年12月号)『郵趣』の内藤陽介さんの連載「日本切手150年の歩み」で紹介されていた戦前に出た愛国切手。日本最初の寄附金付き切手。 相変わらず自分の所有しているものをご紹介。 内藤さんの解説を読んで、日本における寄付の意識がまだ戦前では…

第一次国立公園切手「富士箱根国立公園」

謹賀新年。最近、切手研究用ブログはさぼりぎみでしたが、気合をいれて、紹介の遅れた先月号(2020年12月号)『郵趣』の内藤陽介さんの連載「日本切手150年の歩み」で紹介されていた第一次国立公園切手「富士箱根国立公園」。相変わらず自分の所有しているも…

2020年のエジプト切手(タラアト・ハルブとミスル銀行100年他)

郵趣サービス社の国別切手頒布会には、アメリカとエジプトに加入している。研究対象がマルクス、レーニン切手や人物切手なので、国別はそれほど凝っていない。エジプト切手は、日本国内に入る絶対量は不足しているので、どうも『郵趣』では積極的には掲載せ…

エミリウス・ベレンツェンによる女優ヨハネ・ルイーズ・ハイベルクの肖像画

ヨハネ・ルイーズ・ハイベルク (1812-1890) は19世紀のデンマークの著名な女優で、その自叙伝もいまだに読まれているらしいが(未読)、特にキルケゴールの有名な著作「危機および一女優の生涯における一つの危機」のその「一女優」としての方が日本では馴染…

年賀切手(1935年)

今月の『郵趣』の内藤陽介さんの連載「日本切手150年の歩み」は、日本最初の年賀切手についてだった。 この切手は拡大するとかなり味わいのあるもので、題材は渡辺崋山の「富嶽之図」から採用し、内藤さんの解説だと切手原画には、もともとの崋山の作品に描…

ヨハン・シュトラウス2世

今日は、「美しき青きドナウ」などのワルツで知られるオーストリアの作曲家、ヨハン・シュトラウス2世(1825年- 1899年)の誕生日でした。というわけで以下の切手を。 両方ともオーストリアで出された切手で、特に左側の1967年に発行された「美しき青きドナ…

昭和50年代・平成の使用済み記念切手への関心

今月号(2020年10月)の『郵趣』は、「伝統工芸シリーズで作る競争作品~昭和50年代以降の記念切手で競争作品を作るには~」が大きな特集だった。僕のような子どもの頃に集めていて、また最近再開した人にとっては面白い企画で、いままでの生活では特に注目…

最近の政治的なウクライナ切手の面白さ

最近のウクライナの切手に少し関心がある。90年代までは明らかにロシアに切手制作を委託していた可能性があるが、最近は違って自国制作で面白い。この2020年に出たウクライナの団結を示す地図切手は、ロシアに実効支配された東部二州が明記され、さらにドネ…

ドイツのヘーゲル生誕250年記念切手

ドイツからヘーゲルの生誕250年記念切手が発行された。 ヘーゲルの切手は東西に分かれていた時に各々出たのと、戦後のソビエト占領地域でも普通切手で出ている。統一ドイツでは初めての発行で、いままでのヘーゲル切手が比較的厳格で気難し気な相貌だったが…

ルース・アイコ・アサワ

最近アメリカで出たルース・アイコ・アサワ(1926-2013)の記念切手。素晴らしいシート構成。彼女の代表的な作品である天井から吊るされた造形物など特徴的な作品群と鋭い眼光の肖像写真がシート地を引き締める。戦中の日系人収容施設で始まった彼女の芸術の…

アンゴラのレーニン切手

アンゴラが1970年代末~80年代に社会主義体制を敷いてた時に発行されたロシア革命70周年を記念したレーニン切手。実はこの切手の存在は見落としてました(笑。今日、切手の博物館で行われた切手バザールでなじみのお店でたまたま見つけました。よかった~。