切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

年賀切手(1935年)

今月の『郵趣』の内藤陽介さんの連載「日本切手150年の歩み」は、日本最初の年賀切手についてだった。 この切手は拡大するとかなり味わいのあるもので、題材は渡辺崋山の「富嶽之図」から採用し、内藤さんの解説だと切手原画には、もともとの崋山の作品に描…

ヨハン・シュトラウス2世

今日は、「美しき青きドナウ」などのワルツで知られるオーストリアの作曲家、ヨハン・シュトラウス2世(1825年- 1899年)の誕生日でした。というわけで以下の切手を。 両方ともオーストリアで出された切手で、特に左側の1967年に発行された「美しき青きドナ…

昭和50年代・平成の使用済み記念切手への関心

今月号(2020年10月)の『郵趣』は、「伝統工芸シリーズで作る競争作品~昭和50年代以降の記念切手で競争作品を作るには~」が大きな特集だった。僕のような子どもの頃に集めていて、また最近再開した人にとっては面白い企画で、いままでの生活では特に注目…

最近の政治的なウクライナ切手の面白さ

最近のウクライナの切手に少し関心がある。90年代までは明らかにロシアに切手制作を委託していた可能性があるが、最近は違って自国制作で面白い。この2020年に出たウクライナの団結を示す地図切手は、ロシアに実効支配された東部二州が明記され、さらにドネ…

ドイツのヘーゲル生誕250年記念切手

ドイツからヘーゲルの生誕250年記念切手が発行された。 ヘーゲルの切手は東西に分かれていた時に各々出たのと、戦後のソビエト占領地域でも普通切手で出ている。統一ドイツでは初めての発行で、いままでのヘーゲル切手が比較的厳格で気難し気な相貌だったが…

ルース・アイコ・アサワ

最近アメリカで出たルース・アイコ・アサワ(1926-2013)の記念切手。素晴らしいシート構成。彼女の代表的な作品である天井から吊るされた造形物など特徴的な作品群と鋭い眼光の肖像写真がシート地を引き締める。戦中の日系人収容施設で始まった彼女の芸術の…

アンゴラのレーニン切手

アンゴラが1970年代末~80年代に社会主義体制を敷いてた時に発行されたロシア革命70周年を記念したレーニン切手。実はこの切手の存在は見落としてました(笑。今日、切手の博物館で行われた切手バザールでなじみのお店でたまたま見つけました。よかった~。

ペルー日本人移民120年切手

今月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、ドイツのベートーベン誕生250年切手、マカオのタイパ線開業(ゆりかもめと同じシステムで日本企業が国際入札して完成)切手の他に、ここでとりあげるペルーから今年出た日本人移民120…

インドのファッション切手

今年出たインドのファッション切手。インド切手を特に集めているわけではないが、人物切手としてはインド国内では知られてはいても海外では(特に西欧目線では)知られていない人たちが多く注目している。独立前後から1970年ぐらいまでは収集していて、一部…

ジェームズ・クック船長とエンデバー号、オーストラリア大陸上陸250年

「クック船長」の通称で知られるイギリス軍人のジェームズ・クック(1728年- 1779年)がオーストラリア大陸に上陸したことを記念する素晴らしい切手がオーストラリアから出ました。 ちょっといまさら個人的に驚いたのが、わずか250年前には西洋社会にとって…

ロダンの切手

ウォリス・フツナ(フランスの海外準県)から1987~92年にかけて発行されたロダンの切手三点。制作はフランスで、さすがの名品。もうひとつは2017年にフランスから出たロダンの切手。切手帳に挟んで、窓から切手本体が出ている。

チェコとスロバキアの切手

旧チェコスロバキアは複製芸術の極致ともいえる切手を発行してきたが、チェコとスロバキアに分かれてからも優れた切手を発行し続けている。チェコの最近の美術切手から三種類。スロバキアからはプラハの春を記念した小型シート。この小型シートを郵便に貼り…

伝統工芸品シリーズ

今月号の『郵趣』はあまり僕の関心とかぶってない記事が多いけど、それでも読むといろいろ興味深い。巻頭の1984年から86年にかけて出た伝統工芸品シリーズを利用した切手展に出品して審査をうける競争作品の作り方はためになった。しかしこの時期の日本の切…

吉田一郎と蒙疆(もうきょう)切手

吉田一郎、といってもほとんどの人は知らないだろう。僕も10月号の『郵趣』で、内藤陽介さんの連載「日本切手150年の歩み~郵便創業150年に寄せて」の最新回「逓信記念日制定記念小型シートの発行(1934年)」を読んで改めて想い出した。吉田一郎は戦前の日…