切手の思想家たち2024

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

世界の新型コロナウィルス切手を解説する

 

 新型コロナウィルス問題をめぐる切手は現段階で実に多様なものがでています。やはり3年以上に及ぶパンデミックは世界のあり方を大きく変えたといっていいでしょう。さまざまな国から新型コロナ切手が出ました。ただ先進国の中では、日本と米国は新型コロナを明示的なテーマにはしていません。そこは興味深いところです(ひょっとしたら出てるかもしれませんが気づいたら掲載します)。

 その中で2020年に、文化放送のラジオ番組「おはよう寺ちゃん活動中」で話した世界最初の切手、ペニーブラックを模して、そこに描かれたビクトリア女王の肖像がマスクをしている切手が出ています。

 これは郵便利用ではなく、ほぼ切手発行益だけに目的をしぼった「いかがわしい切手」の発行国に該当する国々から出されたものです。これ以外にも様々なヴァリエーションで、アフリカ、中央アジア、ヨーロッパ、南米などから出されています。同じ切手発行会社(海外販売なども委託)がいつものように制作したものと考えられますが、相変わらず商魂だけはたくましいです。

 

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ちなみに世界最初のペニーブラック切手は自分の守備範囲ではなく、僕はまだ一枚をたまたまネットで買った程度で、あまりいい品質のものではないのがあるきりです(本物だといいかなレベルです(笑))。一応、掲載しますが、そのうち内藤陽介さんの便利で面白い『ペニー・ブラック物語』(日本郵趣出版)を参考に立派な(?)ものを揃えたいと思います。それまでの暫定掲載ということでご容赦。付記:と最初に書いてからすでに三年以上ですが、進展なし(笑。

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世界最初の切手:ペニー・ブラック

以下、入手した順に新型コロナ切手を紹介していきます。

ベトナムから発行された二枚組です。医療従事者や患者、警察・軍関係者が描かれていて、国家全体での取り組みを描いたものです。こぶしが勝利を象徴しているのでしょう。FDC(初日カバー)も買いました。

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こちらはスイスから発行されたものです。社会の連帯を示している寄附金付きのものですが、『郵趣』2020年8月号によると、100C+500Cのうち額面はスイス郵政が負担し、寄附金部分の売り上げは同国の赤十字と慈善団体で半々にわけるそうです。

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悪名高いコロナ切手というか、政治色が強いのは以下の中国のものですね。一見すると同じデザインの切手が並んでいますが、上には武漢の風景が描かれていたのですが、実際に出たのは下の武漢色を薄めたものです。まさに切手が国家の意志を体現している典型で、見ている僕からすると心穏やかではないですね。なんといってもこの種の中国の隠蔽体質こそが、今回の世界的大流行と悲劇をもたらしたのですから。

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日本など海外への公的な供給は停止しているようですが(そこもまた政治臭い)、僕は『郵趣』の会員購入で下のタブ付きを買いました。

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気分を直して、以下は台湾のものです。フルシートにも興味深いメッセージがあるのですが、残念ながら現段階では二枚連刷のみ所有しています。

 

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中華民国(台湾)

下はFDC(初日カバー)です。台湾の切手はすっきりして可愛らしさがありますね。これは保有しているものです。

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中華民国(台湾)中華民国FDC

 

ニュージーランドは新型コロナ拡大を防いだ国として記憶されています。この「テディベアを探せ」は、ロックダウンの中、社会的距離を保たなくてないけない人たちが、自宅の窓辺にテディベアを置くことで、家のそばを通る人たちに楽しみを与える、そういう試みを切手にしたそうです。切手はシート構成になっていてとても大きなものです。これも最近届いたものです。コロナ関係の切手の中で最もほっとする図案ですね。

 

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国連のものはすっきりしたデザインです。マスクにはどんなメッセージが描かれているのか、それは宿題にします 笑。

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こちらは初日カバー。

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マン島の記念切手。エッセンシャル・ワーカーへの敬意、そして愛や信仰、連帯と人々とのつながりのメッセージを表した切手ですね。これは所有しているものの画像。

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これはシンガポールの切手。キャラクター化した面白いものです。新型コロナ危機は人類に死の恐怖を与えていますが、そんな中でも慰安を与える点では、ニュージーランドの切手と通じるものがあります。

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そしてこれもシンガポールの切手。こちらは「シンガポールの習慣」というテーマで、まさにWith/afterコロナの新生活慣習を表現していて、社会的距離をとった列の並びから、在宅勤務、マスクの着用などが描かれています。小型シートと五枚の単片。

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モナコは国王のアルベール2世が透明の地球儀をもって世界の連帯を訴えています。

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チェコ共和国。欧州では新型コロナの前はマスクする文化はまれでしたが、いまでは当たり前の光景ですね。

 

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マスクの話題なので、以下はイギリスの2020年の「エコノミスト」誌の記事から、各国のマスク着用率の推移をみたものです。東アジアは初期段階からかなり着用率が高い。他国はほとんどが急上昇ですが、欧州は北と南で鮮明に着用率はわかれます。

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こちらはスロバキアの切手です。図案が少しダークな感じですね。画像からはわかりませんが、人物にはマスクが、そして図案右下にはコロナウィルスのそれぞれの図案がエンボス加工されていて角度をかえると浮かび上がります。スロバキアは初期の段階ではコロナの抑圧に成功したのですが、切手の出た年の2020年10月は猛烈な拡大傾向をみせています。そこが今回の新型コロナの恐ろしいところですね。おそらく切手発行を企画した段階ではこの猛烈な拡大は予測できてなかったでしょう。

 

ウクライナの切手です。旧ソ連の中では、ベラルーシのように明らかにロシアに切手制作を依頼したり、あるいはエージェント会社に委託している国がありますが、ウクライナは政治的なメッセージ性のある切手を最近よく発行している&反ロシアという位置でも興味深い切手発行国です。付記:その後、ウクライナ戦争がはじまり、ウクライナは反ロシアの切手や平和を祈る切手など独自の政治的宣伝戦略として切手発行をしている。これらのウクライナ戦争関連の切手がコロナ後の世界的な切手の国際的な動きのひとつである。

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こちらはオーストリアの切手です。トイレットペーパーを利用し、小象、ネズミ、ハエ、ダニ?? とコロナウィルスの大きさを比べて、さらに小象と同じ1メートルの社会的距離をとるように啓蒙しています。

 

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中国マカオの単片とミニシート。

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仏領ポリネシアの新型コロナ切手。たまたま切手の博物館のショーケースに一品だけ残ってたのをゲットしました。ポリネシアの切手らしい華やかな色彩の切手です。

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リヒテンシュタインの超大型切手シート。子供たちの描いたコロナ関連の絵自体はそれほどの大きさではないが、シート地のでかさは半端なく、B4サイズフルなので、通常の切手のストックブックなどには収納できない。ちょっと保存が不便 笑。

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アラブ首長国連邦のコロナ切手。

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インドネシアのコロナ切手は、エッセンシャルワーカーや医療従事者、そしてスマホで象徴するテレワークなどをデザインしたもの。

 

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フランスの切手帳もエッセンシャルワーカーを描くもの。切手本体と切手帳の表紙。

 

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フランス(切手帳の切手部分)

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フランス(切手帳表紙)

ボスニアヘルツェゴビナのコロナ切手。コロナウィルスをブロックする医療従事者。

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こちらは上記の後に出たスポーツとコロナ対策を掛け合わせたモチーフの切手。

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スペインの小型切手シート。患者と医療従事者が回復したことをお互いに喜び、そして連帯を伝えあっているデザイン図案。シンプルだが明るく希望をもたらす。

 

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ウルグアイの新型コロナ切手。中南米からの新型コロナ切手はいままで集めきれてないので個人的には希少。

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グリーンランドからは、若手の芸術家Paarma Olsvig Brandtを起用した寄附金付き切手。妖精をデザインした切手本体はかわいいですね。ただシート地の意味がわからないw

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バハマの新型コロナ切手は、クリスマス切手との合わせ技で、社会的距離やstay safe home、マスクなどを題材にしています。

 

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オマーンの小型シート。わりあい初期に出たものですね。

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コロンビアの新型コロナ切手。子供たちの教育支援への寄附金付き切手。

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アンドラのコロナ切手。

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サン・マリノのコロナ切手。社会保障の観点からのもの。

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ロシアのコロナ切手。公衆衛生切手の観点から。

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インドのコロナ切手の小型シート

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ポルトガルのコロナ切手。デザインがいい。

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スリランカのコロナ切手の小型シート。こちらはデザインがとても凝っていていい味だしています。

 

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タイのコロナ切手の完全シート。デザイン的にはコロナ関係としては王道。

 

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アゼルバイジャンのコロナ切手は地雷をさがす兵士とコロナ対応の医療従事者をハーフでわけてデザインしたもの。個人的には安易なコンセプトにも思えるのだが。

 

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マルタのコロナ切手

 

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香港からのコロナ切手二点。

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こちらは香港の小型シートを収納する切手ホルダー。裏表。

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ブラジルのコロナ切手の小型シート。

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エジプトのコロナ切手。エジプトらしい省エネデザイン?

 

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スペインのコロナで増えたマスクなどの投棄をしないように啓発する小型シートとそれをおさめた小型フォルダ(絵葉書六枚入り)。切手本体は二枚目の右側にあるマスクとトラッシュを描いたもの。

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オーストラリアのコロナ切手は医療従事者、エッセンシャルワーカーを描いたもの。連刷、セルフ糊の無目打ち連刷、そして小型シート。

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アンドラ公国のコロナ切手の小型シート

 

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メキシコのコロナ切手は左側がコロナ禍での犠牲者への哀悼を示している。

 

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モルドバナイチンゲール生誕200年切手だが、シート地の方にコロナ関連の記述がある。

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ニュージーランドから発行された「休日は自宅で」というコロナ禍での生活様式の変化を促す啓蒙的な切手。椙山哲太郎氏の『郵趣』2021年7月号でも紹介されているが、切手シート地にある「HOLIDAY AT HOME」にちなむ隠し文字が入っている。

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ジプチはエージェント会社から多数の「いかがわしい切手」を発行していますが、最大の切手購入国である中国を販路に意識したものも多いです。ただこの切手はジプチに新型コロナの医療支援をした中国の医療従事者への受勲を記念したものです。シートの耳紙が大きくついてますが、最初の感じ「向」が破れてます。これ以外に小型シートが出ています(未収集)。

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こちらはリヒテンシュタインのPスタンプでしょうか。うっかりチェックを忘れました(笑。あとで正記します。

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インドネシアのワクチン接種切手。

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ジョージアの新型コロナ切手。寄附付き。

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ベトナムのコロナ切手、昨年に続くもの。切手帳は表裏を掲載。

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コロナ切手としては最初に出たのでは、といわれているイランの切手。FDCで収集。結構集めるのに時間がかかりました。

 

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コロナのワクチン接種では世界でも早期に行ったことで有名なイスラエルからのもの。ドライブスルーでのPCR検査がモチーフのもの。同時期に似た図案の切手がいくつか出ているが特にコロナとは関係ないので購入はしていない。

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セルビアの普通切手&新型コロナの組み合わせです。記念切手ではないところが珍しいですね。どういう趣旨か調べたら加筆するかもしれません。

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スペインからは寄附金付きのものが新たに出ました。スペインの新型コロナ切手はすでにデザインの優れたものが出ていました。しかしスペインはいろいろ切手には野心的な試みが多く、デザインやまたテーマが先鋭的です。

 

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北マケドニアからの新型コロナです。

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ロックダウン中にジャージー島(イギリス王室属領の自治政府)のベルニ・マーティンが描いた鳥の絵で、広義の新型コロナ切手。コロナウィルスを模したデザインもあるが、この切手は久しぶりに危機の渦中でも癒されるデザイン。

 

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旧ソ連構成国で東ヨーロッパの小国モルドバのコロナ切手。

 

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中国のコロナ切手は2020年、同国の最優秀の切手に選ばれたということで高価な記念シートになりました。

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スペインからの切手で、かって南米で猖獗をきわめた天然痘の予防接種を広めることに貢献した医師バルミスの故事にならい、現在の新型コロナ対策を「バルミス作戦」としたものを記念したものです。

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シンガポールからはコロナ対策の記念切手第二弾が発行されました。

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オーストリアのコロナ切手は、マスクを小型化した切手。エージェント会社から同様のコンセプトの切手が先行して出ていただけに、その意味で意表をついた。

 

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初日カバー



フェロー諸島からのコロナ切手。

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台湾からまたコロナ関係の切手。今回は医療従事者への感謝を伝える小型シート。

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北マケドニアのコロナ切手

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キリバスのコロナ切手、ワクチン接種。

 

ペルーのコロナ切手


ペルーのコロナワクチン切手

 

 

ネパールのコロナ切手。エッセンシャルワーカーが主題。

 

 

タイのコロナ対応をしたうえでの医薬品の搬送切手

 

インドの独自生産のコロナワクチンCOVAXINの発明を記念した切手。

 

 

オーストリアのコロナワクチン接種勧奨切手。これもマスク地でできている。[ぜんぜん痛くないよ!」という標語w。

 


ノルウェーの医学・生理学上の貢献を表した切手。そのうちのひとつが同国の研究者によるコロナの検査のイノベーションを記念してのもの(左)。2023年10月発行。

 

インドネシアのコロナワクチン切手

 

オーストラリアからでた2022年のスタンプショー記念シート。すでに出たコロナ切手をアレンジしている。

 


イギリスのコロナと闘った人たちを記念する切手。


マレーシアのエッセンシャルワーカーの顕彰切手

 

パンデミックによって予防策の難しさやまた雇用の不安に直面した職業をとりあげたスロベニアの2022年の切手。

 

 

カザフスタンのコロナ切手

 

イスラエルのコロナ切手。2021年。

 

ワクチン接種済の女性。ポーランドの2021年の切手。

 

イタリアのコロナと闘う医療専門家を称える切手。2021年。

 

コロナと闘う医療専門家の切手。ロシア。2021年。

 

サンマリノのコロナ切手。

 

ちょっと手に入れるのに難儀したキューバのコロナ切手。独自の医療制度で対処したがかなり苦戦した印象がある。

 

トルコのコロナ切手





以下はエージェント会社から発行された、冒頭のペニーブラックを利用したパロディ的な切手と同様の、外貨獲得目的の「いかがわしい切手」のを並べていきます。

 

トーゴ政府から発行された木製のコロナ切手です。トーゴは冒頭のペニーブラック型や地球型の大型二種などエージェント会社共通のデザインのものを出してます。わりと高額なのですが、研究目的のために購入しました(涙)。

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トーゴ木製切手

 

トーゴからはその他にもいろいろ出ている。

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キルギスのコロナ切手の小型シートと別のデザインの単片。キルギスの小型シートは典型的なエージェント会社発行のもので、リアリズム調(数パターンある)と名付けている類型のもの。これ以外に、球形、ペニーブラック型などがある。単片のものは可愛いデザインで思わず購入(笑。

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グレナダグレナディーン諸島のコロナ切手。エージェント会社発行のリアリズム系コロナ切手。

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サントメ・プリンシペのもの。ポルトガル領の切手でもあるのでとりあえず。類似デザインの小型シートもあったが、未購入。

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モザンビークの球状コロナ切手

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エージェント会社発行のトーゴ名義のマスク切手(マスク型ではなく本物のマスクが切手になってる)も入手。人気があるようで品切れてた(苦笑.

 

サントメ・プリンシペのもので、これだけはっきりと新型コロナの発祥地が武漢であると強調したものはないです。

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こちらも新型コロナ切手ではわりと珍しい実在の人物が描かれているものだったので購入しました。ローマ教皇のフランシスコが祈りを捧げているものです。個人的には彼の日本での説教が疑問が多いのですが、広義の意味での「思想家」でしょうか。ギニアビサウ共和国からのものです。他にもエージェント会社のもののパターンで、四枚組が出てますが買う意味は乏しいです。

 

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米国・ワクチン研究センターのmRNA型ワクチンの開発で貢献したKizzmekia S. Corbett氏とアメリカの感染症対策の責任者アンソニー・ファウチ、そしてワクチンのモデルナをデザインしたモザンビークのものです。

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シエラレオネの「パンデミックの歴史」を描く二枚の小型シートのうち、新型コロナを含むもの。

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ニジェールのコロナワクチンの瓶をモチーフにした変形切手。

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チャドのコロナ切手

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パンデミックでさまざまなスポーツイベントが延期や中止になりました。東京オリンピックもそのひとつ。ジブチの切手。

 

 

ギニアの変形切手。英王室、ビリー・アイリッシュら有名人のマスク姿などのコロナ切手。

最後はオミクロン株をテーマにしたトーゴの切手。わたしは2022年の春についに新型コロナにかかってしまい、救急車で搬送されるなどつらい経験をした。後遺症はいまも残る。

オミクロン株にたぶん罹患したんでしょう。もう二度とかかりたくないが、こればかりはわからない。みなさんも健康にはくれぐれもご留意を。



ナポレオン1世没後200年切手(フランス)

2022年5月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、フランスのナポレオン1世没後200年、ドイツのゾフィー・ショル生誕100年、そしてモナコプルースト生誕150年切手である。

 

切手の入荷状況によるのか、最近のワールドトピックスはヨーロッパからのものが大半である。単価をあげてもいいので、多様な国の切手もとりあげてほしい。

 

しかしこのフランスのナポレオン切手は、豪華な仕様であり、肖像画の金ラメの飾りもいいし、下のセントヘレナ島での立ち姿も哀愁があってよし。

 

 

ダンテ・アリギエーリ

今日、2021年9月14日は、『神曲』『新生』で近代の曙をつげたダンテ・アリギエーリの没後700年。ここでは、杉原四郎『切手の思想家』に掲載されていた“生誕”700年記念のダンテの肖像画を含む1965年に発行されたヴァチカンからの四枚組(下段左四枚)を。上段は右からエクアドル旧ソ連、西ドイツ。下段の残り二枚はメキシコ、米国のもの。

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ジョン・ラスキン記念切手(マン島発行)

経済学関連の人物切手で、重要なものがマン島から出ている。ジョン・ラスキンの切手で、マン島とのゆかりを象徴している六枚組のもの。

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ラスキン1871年に聖ジョージ・ギルドという自給自足の共同体を創設し、さまざまな地域での試みに資金提供を行った。その150年記念切手。マン島では、Egbert Rydingsによる織元に資金を提供し、マン島の伝統的な職人芸の保存を試みた。上段左の切手は、その工場の外観。ラスキン自身の肖像は各切手の左端に共通で、この1sTのものには、Egbert Rydingsの肖像がある。

 

上段右側の切手は、ラスキンの有名な標語「There is no wealth but life生命にまさる富はない」が書かれ、それが「社会的正義」をヴィクトリア朝時代に志向されたものとデザインされている。

 

下段左端は、聖ジョージ・ギルドが管理するラスキンランドが描かれている。イングランドのウスターシャー州にあるワイヤ・フォレストにある。今日における環境保護に対するラスキンの貢献を示す。

参照:Ruskin Land in the Wyre Forest - The Guild of St George

 

下段左から二番目は、ターナーの「カレーの桟橋」の一部をデザインしていて、ラスキン美術評論家としての側面を表す切手。ラスキンは『近代画家論』のターナー論を通じて、やがてより積極的に社会評論に接近していく。以下は「カレーの桟橋」の全景も。

 

右から二番目の切手は、ラスキンの知人であったマン島の芸術家: J・M・ニコルソンの「ヴェネツィアへの旅ー芸術家の変身ー」 。ヴェネツィア行きをラスキンはニコルソンにすすめて、1882年にヴェネツィアへ。ニコルソンの簡単な評伝は以下が参考になる。

» John Miller Nicholson: a Manx National Artist iMuseum

 

右端は、ラスキン自身の水彩画で、イギリス沿岸に生息する甲殻類のベルベット・クラブを描いたもの。

 

ラスキンは当時の経済学批判でいまも知られるが、今回この切手の解説を書くために勉強して、本当に活動が広範囲なのに驚嘆した。

 

エジプト切手(国連75年、郵便の日など)

郵趣サービス社の国別頒布会には、アメリカ、エジプト、そしてキューバに入っている。今月はエジプトの配布があったので嬉しい。左から2020年発行の国連75年、電気技術者協会100年、そして2021年発行の郵便の日、男子ハンドボール世界選手権。エジプトの切手は入荷から状態の悪いものがあるが、今回は電気技術者協会100年切手が裏がかなり汚れていた。まあ、しゃあない。手に入るだけましである。

 

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