切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

バチカン市国発行のティエポロ没後250年切手

2021年1月ののWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、バチカン市国発行のティエポロ没後250年、ベトナムの新型コロナウィルス切手、フランスのラファエロ没後500年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。

 

今月のうち二枚はすでに保有していて、このブログでも紹介しました。ここではティエポロ没後250年切手を紹介します。

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ティエポロという画家については不勉強で今回この切手で初めて存在を知りました。18世紀のイタリアバロックの画家で、ベネチア派の最後の巨匠ということです。最近、ティエポロの再評価がすすんでいるようで、その意味ではこの切手は啓蒙的な価値もあるかと思います。題材は旧約聖書でのアブラハムの息子イサクを神に犠牲に捧げる有名なシーンですね。小型シートの地の方には、その行為をやめさせる天使が描かれていますが、この配布サービスの対象外です。手に入らなくなるうちに買っておこうと思います(笑。日本国内の切手収集は確実に衰退期にはいっていて、昔の切手よりも最近出たものは日本に入荷した直後に買っておかないとなかなか切手商やオークションで手に入らない感じです。黄昏ていく趣味なんですよね、たぶん。でも今回もそうですが、とても勉強になります。切手集めてないとティエポロのことなどおそらく知らないままでした。

 

(追記)ティエポロの小型シートをその後手に入れました。雄大な構図で素晴らしい出来栄えですね。

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