切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

中国語訳「共産党宣言」100年記念切手

中国人民共和国から去年でた、中国語訳『共産党宣言』100年記念の切手です。訳者の陳望道の肖像と訳書の書影が掲示されてます。ウクライナのレーシャ・ウクライーンカ切手も広義マルクス切手ではありますが、こちらはマルクスの肖像が印刷されているもので、マルクス生誕200年だった18年以来の(エージェント会社発行以外では)マルクス切手といえるでしょう。

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青色と赤色の表紙ですが、初版は題名が「共党産宣言」と誤記されているのは有名らしいです。

 

日本語訳と中国語訳との関係については、大村泉先生が以下の論説で詳細に研究していますので参照してください。

幸徳秋水/堺利彦訳『共産党宣言』の成立・伝承と中国語訳への影響

http://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/603-01.pdf

 

(付記)

赤間道夫先生に大村泉先生に連絡を取っていただき、赤色の方が初版(現存10部ほど)で、青色がタイトルを修正した第二版とのことです。ご教示ありがとうございます。

また写真も送付していただき、初版の画像は中共中央編訳局(北京)から、再版はロシアのアルヒーフからのもの。

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ついでにその後、入手したシートの上半分。

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FDCも。こちらは初日印だけエンゲルスも参加。

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