アルフレッド・ヒッチコック
今日はアルフレッド・ヒッチコック(1899-1980)の誕生日でした。というわけでこの二枚を。左はアメリカが1998年に発行した人物切手、右はイギリスが1985年に発行した映画界に貢献した人たちの一枚です。
この切手のうち、左のアメリカ切手の肖像写真は、多くのファンにおなじみの姿ですね。ダークスーツを着て顔を上にあげて斜めに見下ろす。右側のハワード・コスターの写真の方は真逆で下をむいた写真で、こちらだとなんとなくかわいいです(笑)。両方をみると、ヒッチコックがセルフイメージを構築するのにも実に注意深かったのがわかりますね。やはり左の方が、彼の映画らしいスリラー?感がありますから。
ヒッチコックと経済学といえば、やはりタイラー・コーエンの『創造的破壊』(田中秀臣監訳、作品社)での議論です。フランスの戦後映画界の衰退の原因は、自国の映画産業の保護のために、他国の映画の摂取をおろそかにしたり、上映・制作で規制や政府の補助をしたためであること。例外ともいえる戦後のフランス映画でただひとつ国際的な影響力を持ちえたゴダール、トリュフォーなどのヌーヴェルヴァーグ世代は、むしろヒッチコックなどのアメリカ映画の影響を色濃くうけていたためである、という主張です。コーエンによれば、戦前はアメリカやラテンアメリカの映画市場の過半は、フランス映画で占有されていたのは、フランス映画が市場の力だけで諸外国の映画と競いあっていた証左である、ということもコーエンは指摘しています。
参考:文化の創造的破壊 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
ヒッチコックに話を戻しますが、ヒッチコックの作品で一番好きなのは『レベッカ』です。最初にみた子ども時代は本当に怖かったです。長いカーテンがあるだけで恐怖を醸し出す、まさに天才的演出です。