切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

ナムフォン妃の切手

先々週、新型コロナで開催されなかった切手博物館の切手バザールが再開。さっそくなじみのお店にいって、この切手を買いました。これはベトナム最後の王妃ナムフォン妃の肖像。四方田犬彦氏が『女王の肖像』の中で最高位の価値を与えた切手です。三枚組ですが、二枚しか売ってなかったのが残念。

 

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四方田犬彦氏の『女王の肖像』では、ナムフォン妃のエピソードが、彼の個人的な「プルースト的感情」とともに記載されています。ナムフォン妃は、富裕な商人の子女として育てられ、フランスで教育をうけやがて帰化。最後の王バオダイ王と結婚しました。美しい妃で、切手が表現する憂いも秘めています。

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現在では、バオダイ王の評価は、プレイボーイの側面を強調されるなど、あまり高くなさそうですが、ナムフォン妃はそのファッション性、洗練された生き方などを評価されているようです。四方田犬彦氏の著作ではナムフォン妃の切手と、僕が日本切手の中で最も好きな日本赤十字社切手が比較されています。

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女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

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