切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

リリウオカラニ

今日、9月2日は、ハワイ最後(第8代)の国王リリウオカラニ(1838-1917)の生誕日でした。というわけで今日はこの旧ハワイ王国の切手を。

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この切手は、1891年に発行された旧ハワイ王国の切手で、リリウオカラニ女王の肖像を描いています。リリウオカラニハワイ王国の最後の国王で、その在位はわずか三年(1891-3年)でした。

 

リリウオカラニは音楽の才能に長けていて、今も愛されている曲「アロハ・オエ」の作曲者としても著名です。さらに詳細な彼女の人生とまた歌にこめられた解釈は、内藤陽介さんのブログの記述に譲ります

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この切手の重要なのは、世界に数多くなる蝶切手の歴史で重要な点です。それは蝶を図柄の中心においた蝶切手ではなく、それ以外の位置づけの「準蝶切手」の世界最初の一枚として知られるからです。リリウオカラニ女王のちょうど髪飾りがまさに蝶なのです。そしてさらに音楽家としても評価されているため、純音楽切手としての位置も高い作品です。これらは西田豊穂氏の『カラー版 蝶の切手』(講談社)に基づきます。

 

この切手は個人的にもお気に入りです。早く手元にこないかな 笑。

 

蝶の切手 (講談社文庫)

蝶の切手 (講談社文庫)