近代通貨制度150周年記念
1871年(明治4年)に「新貨条例」が制定・発布され、円という新しい通貨単位が誕生した。その150年記念、旧造幣局、ガス燈、圧印機、大隈重信の全身像などが描かれている。硬貨は、150年記念硬貨、金銀銅貨、そして和同開珎。
大隈重信と円の誕生については以下が詳細である。
日本の通貨はなぜ「円」なのか 大隈重信と新1万円札・渋沢栄一【前編】 – 早稲田ウィークリー
日本の通貨はなぜ「円」なのか 大隈重信と新1万円札・渋沢栄一【後編】 – 早稲田ウィークリー
アインシュタインの一般的相対性理論と日食観測100年
サントメ・プリンシペといえばエージェント会社に切手の製造から販売まで委託している乱造国として知られている。よほど自分のテーマに合うものでないと買う意欲は起きない。ただこのアインシュタインの一般相対性理論を「実証」したとされる日食観測100年記念は、サントメ・プリンシペが発行する由来が十分にある。サントメ島は当時、この日食の観測地点として有名になったからである。
切手本体もポルトガルとの共同発行で(ポルトガルのものは同図案)、エージェント会社に委託しているいつものパターンのものとは、一線を画すセンスのいいものだ。先日、たまたま切手の博物館のショールームでみかけてすぐに購入した。なおポルトガル時代のサントメ切手はコツコツ集めてるのと、またレーニン切手で一枚この国のもので集め逃しているものがある。なかなか見つからない。
アインシュタインはなぜか杉原四郎先生の『切手の思想家』には記載されていない。思想面でも同時代・後世でも多大な影響があったと思うのだが。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナのチャールズ・ディケンズ没後150年記念切手
2021年5月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、スロバキアの天文学者マクシミリアン・ヘル生誕300年記念切手、ベトナムのホー・チミン生誕130年記念切手、そしてボスニア・ヘルツェゴヴィナのチャールズ・ディケンズ没後150年記念切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。
ベトナムのものはすでに所持していて、他方でスロバキアの切手は購入するかどうか以前迷っていたものでした。買わなくてよかった(笑。今回は、経済学と縁が深いディケンズのものを。
ディケンズの著作は、産業革命の労働者や貧困層の様子を活写した作品で、経済学の世界では知られています。特に『ハード・タイムス』は、僕の訳した『アダム・スミスの失敗』にもでてきて、当時の主流派の経済学である古典派経済学批判の文脈で援用されていました。
ディケンズについてはいつかまとめて整理して、講義かネットで話すか書くかしたいと思っています。
なお切手の世界でもディケンズはもちろん人気で、世界各国からかなりの数が出されています。