北マケドニアの丹下健三記念切手
2021年4月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、ポーランドのカチンスキ元大統領没後10年記念切手、北マケドニアの日本の建築家丹下健三を記念した切手、そして中国の新型コロナ切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。
中国の新型コロナ切手はすでに別のエントリーで紹介しているので省略です。ポーランド切手と北マケドニアの切手でどちらにするか少し迷ったのですが(北マケドニアは最近もこのWorld Topicsネタで紹介したので)、やはり日本の人物切手ということで丹下健三切手を。
丹下健三が、北マケドニアの首都スコピエが1960年代に大地震の被害にあった際に、その復興のための都市計画を主導したことを記念したものである。日本人にとってはまさに偉業だと思うのですが、まったくこの切手が出るまで知りませんでした。いろいろ切手を通じて勉強になります。ただ丹下たちの都市計画は、あまりにも現代的=ブルータリズムが鮮明で、最近は民族的なアイデンティティを重視する再開発によって見直しもすすめられているそうです。
韓国の国際植物防疫年切手
2021年3月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、国連のナイチンゲール誕生200年切手、台湾の第15代総統・副総統就任切手、韓国の国際植物防疫年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。
ナイチンゲール生誕200年については、このブログで取り上げました。また台湾の総統・副総統就任切手もtwitterでふれたので、今回はこちらの韓国の切手を。国際植物防疫年というのは初めて知ったのですが、それはある意味当たり前で、2020年に国連で採択されたものだそうです。世界の食料の80%以上が植物由来で、その20~40%が植物病や害虫によって被害を被っていることに危機感を抱いた各国の取り組みを世界的に喧伝するためにこの防疫年が制定されたそうです。切手を通じて世界の動向が知ることができる点で、今回の切手は僕には有益でした。
国連の天然痘撲滅40年切手
2021年2月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、国連の天然痘撲滅40年、イギリスのペニーブラック180年、そしてベトナムのレーニン誕生150年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。
今回もレーニン、ペニーブラックはともにすでに収集済だったので、新しく手元にきたのは国連のものです。天然痘は撲滅されていますが、ただ生物テロとして利用される可能性があるとのWTOの警告が出ています。切手は種痘の様子と天然痘ワクチンの入った瓶がデザインされていて綺麗な色彩の切手でもあります。
内藤陽介『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』(日本郵趣出版)
『郵趣』に連載していた時から愛読していたものが、一冊にまとまり、しかもかなりの加筆と新情報を加えた、日本の郵便の歴史を切手を通じて理解するまたとない本になってますね。
内藤さん独特の切手を通じた日本という国家の近現代をとらえる視点はいつものように手堅く、政治や歴史の教養本としても必備の一冊です。カラー印刷なのと、また編集も丁寧になされていて、読みやすいです。
しかし戦前の日本切手は高額なのも多くてなかなか収集はすすみませんが、切手の奥深さは本当に大したものだと思います。