ラファエロ「ロレートの聖母」、「ラファエロ生家の聖母子像」
今年はラファエロ・サンティの没後500年記念の年です。ラファエロの切手は無数にあるのですが、今年も多くの国で発行されるでしょう。故・杉原四郎先生はかって、ラファエロとマルティン・ルターが同時代人であったことを切手から教えられたとエッセイに書きました。僕もその記述に、そうか、とやはり感心したものです。ルネサンスと宗教改革、並行している社会運動ですが、それでも心の中でなにげなく分離して考えている自分がいたのかもしれません。
この切手は、ラファエロ没後500年を記念してフランスで発行された「ロレートの聖母」です。ロレートはもともと作品が保存されていた教会が、イタリア、ロレートにあったことにちなんでいます。
この絵画の解釈は多様で、幼子イエス、聖母マリア、ヨゼフの三者の姿やまた制作過程など興味深い話が多いですね。
下はミニシートです。
聖母子像のさまざまなデッサンがシート地に描かれています。また最後は、小型シートを収録していた切手帳カバーです。イエスとヨハネがなにかとりあってるように見えますが、実際には左側のヨハネが護符をイエスに手渡しているのを、マリアとヨゼフが将来のふたりの運命(斬首と磔刑)を暗示するように悲しげに見つめている構図のようです。「バラの聖母」。ラファエロの聖母子像は豊富にあって切手でも何種類も出ています。時間があればこのエントリーに付け加えていきたいと思います。
(追記)
ラファエロ没後500年を記念してサンマリノで出された「ラファエロ生家の聖母子像」。ラファエロの生家はイタリアのウルビーノにありますが、そこに所蔵されている聖母子像。マリアがイエスを抱きながら読書をしているユニークな構図。
ピンクのシート地がとても穏やかで温かみのある印象を与えている名品だと思います。サンマリノも独自の切手文化をもっていますね。狙いは海外での切手販売でしょうけど、エレガントな切手が多い印象です。