切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

竹久夢二

9月16日は、大正浪漫を代表する画家で詩人の竹久夢二1884年 - 1934年)の生誕日です。というわけで今日の一枚はこの切手を。

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1980年に発行された近代美術シリーズ第10集、竹久夢二の代表作「黒船屋」をデザインしたものです。パソコンの画面でいま見ているのですが、この近代美術シリーズの切手たちはとても美しく、日本の代表的な「切手美術」の結晶ともいえる作品群だな、と思います。

 

人物切手に比重を置いて収集していますので、四年ほど前に出た『著名人の切手と手紙』はとても便利なものです。もちろん竹久夢二についても収録されています。彼の恋多き人生の一断面が描かれていますね。

 

そして東京にある竹久夢二美術館ではまさにその夢二の恋をテーマにした展覧会をしています。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/exhibition/now.html

 

展示されている『恋愛秘語』には以下のするどい詩が掲載されています(竹久夢二美術館のツイートで知りました)。

 

いさかひをする時だけが 『私達』 人はみなひとりびとりだ キスする時も。

 

この詩を読むと、貨幣や社会の「信頼のネットワーク」を重視しながら、他方で人はそれぞれ結局は孤独であることをも重視した、大正時代の経済学者の左右田喜一郎を思い出します。

 

竹久夢二の作品や本人の肖像など、日本はいくつもの切手を発行してますので、また上記の美術展に行ったときにでもご紹介するつもりです。

 

恋多き竹久夢二のまじめな(?)人生は以下のサイトが簡潔にまとめています。

https://yumeji-art-museum.com/record/