アレキサンダー・フンボルト
9月14日は、自然科学者で地理学者でもあったフリードリヒ・ハインリヒ・アレクサンダー・フォン・フンボルト(1769年 - 1859年)の生誕日でした。フンボルトは兄のヴィルヘルム・フォン・フンボルトと並んで、19世紀の教育・研究に多大な貢献を成し遂げました。兄フンボルトは「フンボルト理念」という商業教育の指針で、日本の経済思想史研究でも知られています。
ということで今日は、弟フンボルトの記念切手を4種類。
左から旧西ドイツから発行された没後100年の記念切手。隣の黄土色の切手はメキシコから同様の趣旨で発行されたもの。また右の二枚やはり没後100年記念で旧東ドイツから発行されたものである。フンボルトは当時まだ欧州では未知に近い大陸だった南米大陸を精力的に観察し、現地の人々の文化やまた地理との関係を考察した。また緯度測定儀と六分儀で詳細に書き換え、地球の磁力を測定し、それが極から遠ざかると低減することも発見した。「海流」という着想も得た。彼の書いた旅行記や博物学的著作は膨大で、多くの同時代人に影響を与えた。旧東ドイツの二種類の切手は、フンボルトの肖像と彼が旅した南北アメリカ大陸の風景が描かれている。
哲学者のアラン・ド・ボトンは『旅する哲学』の中でフンボルトについて以下のように記している。
「一生のあいだにどれだけのことを成し遂げられるかーーこれだけのことを成し遂げられる人はめったに、いやまったくいない」。
フンボルトの壮大な観察と分析は以下のボンプランとの共著『アンデスと隣接地域の自然学図版』の詳細な図と解説をみるだけでも明らかだろう。しかもこのような貢献は彼のごく一部分の功績にしかすぎない。フンボルトは地球全体というものを自分自身で究めようとしたのだろう。