切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

1000円吉祥天立像切手フルシート(使用済)

郵趣』の読者プレゼントで、魚木五夫先生から東京印刷と大阪印刷の震災切手を頂戴してから、さらに毎回楽しみにしているのが「使用済みマルティプルで集める日本切手」のコーナーです。ものに釣られたわけではないですが(笑。

 

魚木先生のように集まればいいのですが、ネットオークションや切手商のオークションではなかなか出てこないものが多く。やはり本格的な収集家と僕のような「過去の経済学者が集めていたり、関心を持った切手を経済思想史研究として集める」みたいな果たして、ちゃんとした収集家なのか全然自分でもわからない存在からすると、本当に敬服し、憧れます。

 

さて今回はその魚木先生の連載で、2021年3月号に掲載された1000円吉祥天立像のフルシート使用済みです。魚木先生のは外信用ローラー印やその日付なども重視されてますが、僕はとりあえず集めてみました(笑。発行年の翌年みたいですね。消印の知識は子どもの頃はかなりあったのですが、再開してからはあまり興味を持てず、したがって価値もわかりません(笑。

 

この吉祥天立像の切手は1975年に出たのですが、当時、もう切手集めをやめつつある時期でしたが、それでもこの切手や小型シートには憧れを抱いてました。単片も小型シートも今は手元にあり満足です(笑。

 

ちなみに「切手の思想家」にはまったく関係はありません。

 

f:id:tanakahidetomi:20210818055949j:plain

 

ポケモン切手2021

twitterの方で知人がポケモン切手を購入したということに触発されて、近所の郵便局で購入。葉書用のグリーティング切手は品切れで、封書用のものを手に入れた。「切手の思想家」とポケモンではまったくクロスしないのではないか、とお考えの人も多いかもしれないが、実は「本家」ブログの方では、ポケモンは何度か取り上げている。

ネオテニー論とコミック(マンガ)、「かわいい」表情の経済学 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

 

こちらはコミック・アニメ研究者としてのグルンステンの貢献だが、経済学者のロバート・フランクの分析とも連動してる。利他の経済学のひとつの根拠としての表情筋(かわいい)問題である。

 

また産業政策の中での「ポケモン」的なコンテンツ、キャラクター戦略の評価として以下も話題にした。

小田切博『キャラクタ―とは何か』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

 

世界的に人気のある商品としてのポケモンで、やはり人気も高く、別商品のポケモン切手のboxは抽選での販売になっている。申し込むがあたるかな(笑。

f:id:tanakahidetomi:20210817185317j:plain

 

イタリア/サン・ジョルジョ橋切手

2021年8月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、イタリアのサン・ジョルジョ橋、ベトナムのオケオ文化、ロシアのワイナリー創始者であrレフ・セルゲイヴィッチ・ゴリツィンの人物切手の三種類。今回は、イタリアの切手をご紹介。このサン・ジョルジョ橋は日本でも大きくとりあげられた崩落事故の現場でした。世界金融危機以後のインフラ整備の遅れから、この橋だけではなく5年間で5回の高架橋の崩落事故が相次いだ中での43名の死者や周辺住民の退去を伴う悲劇でした。そして4年を経ての再建を記念する切手ですが、被害者や遺族たちの心情は解消されず、政府への不信感を強めているという解説がついています。インフラ整備を怠ることは、経済だけではなく、人命も損ねることがあることを政治家たちは特に認識すべきでしょう。

 

f:id:tanakahidetomi:20210814095634j:plain

 

モザンビークのマリリン・モンロー切手

マリリン・モンローはもちろん女優であり思想家ではない。だが彼女を通じて様々な社会・文化現象を考えることは興味深い思想的な営みであろう。

 

切手の方では、マリリン・モンロー切手は独自の人気分野になっている。毎年、エージェント会社が各国の名前のもとに「いかがわしい切手」を大量に発行している。僕が手元にあるのは、米国のモンロー切手と、ここに二点紹介するモザンビークのいくつかのモンロー切手である。モザンビークのものはわりと気に入っていて、特に下に挙げた赤い山形のものはずっとオークションに出るのを待っていたものだ。

生誕90年を記念したものだが、毎年出てるのであまり特別な意義はない。

f:id:tanakahidetomi:20210811045103j:plain

f:id:tanakahidetomi:20210811045123j:plain

 

 

 

作曲家レハール生誕150年と『ベニスに死す』、“世界で最も美しい少年”という「物語」の悲劇。

2021年7月のWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、オーストリアの作曲家レハール生誕150年、ノートルダム大聖堂修復記念のフランス切手、そしてここでも紹介したウクライナのレーシャ・ウクライーンカ生誕150年記念切手の三種類。ここではレハールのものを紹介。

f:id:tanakahidetomi:20210729031814j:plain

 

楽家は重要な「切手の思想家」になります。レハールについてはほとんど知らなかったので、今回の頒布は実に勉強になりました。もう少しまともに音楽も勉強しないと猪木武徳先生の本をまともに読むこともできないですね 笑。

 

レハールはウィンナ・オペレッタで活躍したそうですが、ナチス政権との関与で彼の活動は批難されたそうです。頒布された説明書きには、映画『ベニスに死す』の一場面に使われているとの興味深い記述が。

 

www.youtube.com

 

実はたまたま昨日、少年役のビョルン・アンドレセンについての記事を目にしました。

www.theguardian.com

この記事の中で紹介されている彼のドキュメンタリーの予告編は、なんとも悲しい雰囲気に満ちています。ぜひ観たい映画です。

www.youtube.co

アメリカ切手:2021年7月頒布

7月はまず蝶の切手。このブログの表題のもとになった杉原四郎先生は人物切手と同時に、蝶の切手も集めていて、それに関する短文を頂戴したことがあるんだけど、整理がよすぎて見つからないw。コロラドムラサキシジミ

f:id:tanakahidetomi:20210729031205j:plain

 

カフェラテ、エスプレッソ、カフェモカカプチーノの四種類からなる切手ペーン。なかなかおしゃれである。裏表を掲載。

f:id:tanakahidetomi:20210729044459j:plain

f:id:tanakahidetomi:20210729044514j:plain