切手の思想家たち2022

世界の切手のうち、思想家・科学者・芸術家を中心に人物切手について自由に書きます。題名は故・杉原四郎先生の『切手の思想家』(未来社)をリスペクトしてつけました。

アリストテレスの切手

『切手の思想家』(杉原四郎著、未来社)の人物切手は、その切手の画像が掲載されているものは二年程前にほぼ集め終えた。いまは文章中に触れられてるものや、関連するもの、新しいものを集めて、切手収集からの杉原四郎の思想研究とでもいう切り口の研鑽中である。これから断続的に『切手の思想家』に基づいて集めた切手を紹介していく。

 

「切手の思想家は、アリストテレスからはじまる。彼の思想は、中世のスコラ学派に継承されて、近代以降の哲学に大きな影響をおよぼしたばかりでなく、近代の自然科学と社会科学にとっても、ゆたかな想源であった。科学の中では比較的歴史の浅い経済学でも、その歴史をアリストテレスから説き始めることが多い」(杉原9頁)。

 

アリストテレスの切手として、杉原先生は、ギリシャキプロスの切手をあげて、そしてマリ共和国、メキシコから出ていると本文で解説している。以下がその切手(左からギリシャキプロス、マリ、メキシコ二枚)。ただし杉原先生のギリシャの切手(ラファエロアテナイの学堂からのデザイン)の解説で、左と右の人物を取り違えている。通説の解釈では、左の老人がプラトン、右がアリストテレスである。

 

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 関連エントリー

アリストテレス - 切手の思想家たち2020

クワンザ祭り切手(2020)

アメリカとエジプト切手の頒布会に入っていて、エジプトはまれにしか頒布はないが、アメリカは毎月コンスタントに頒布があり嬉しい。今月は三種類で、ハヌカ祭(ユダヤ教徒のお祭り)と冬の風景の両面ペーン、そして画像のクワンザ祭である。

 

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頒布会でもらってる郵趣ニュースの記述によらせていただくが、年末から年始にかけてのアフリカ系アメリカ人のお祭りである。上記でもあげたハヌカ祭、そしてクリスマスと三種類の祝い事の切手がアメリカでは長い間、毎年のように出ている。切手には、女性の横顔と「結束、自己決定、集団作業と共同責任、協調経済、目的、創造性、信仰」を表す燭台が描かれている。

 

ブルース・リー生誕80年

ブルース・リー生誕80年の記念切手が香港から出た。小型シート二種類と単片が6枚という豪華な布陣である。ブルース・リーがいま生きていたらもうそんなに年なのか、と驚く。僕は日本でのブルース・リーブームの第一世代だろう。ヌンチャクを手製で作ったり、または後には雑誌の通販で購入したりしていた。そういえばその延長でパワーリストとかも買って何かを目指していた(笑。

 

 

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ブルース・リーについては最近では、その思想面での勉強をしていて、次の二冊はその必読書である。特にカール・ロジャーズの自己実現との関連からブルース・リーの思想をみていくのは興味深い。

 

 

ブルース・リー 哲理解析

ブルース・リー 哲理解析

  • 作者:羅振光
  • 発売日: 2014/10/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

ブルース・リー 思想解析

ブルース・リー 思想解析

 

 

 

ボリス・ヴィアン生誕100年(続

以前エントリーしたボリス・ヴィアン生誕100年切手

https://tanakahidetomi.hatenadiary.jp/entry/2020/08/03/000541

の続きです。

 

単片とは同じデザインで額面が違い、このシートを組み立てると箱と小冊子の二種類がこのシートから作れるということです。ただし僕は不器用なのでそんな無謀なことはしません(笑。

 

挑戦者募集(笑。

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ベルタ・フォン・ズットナー

ノーベル平和賞を受賞したオーストリアの作家であり活動家だったベルタ・フォン・ズットナー(1843-1914)の切手が、ジョージアから2020年に出た。ズットナーはアルフレッド・ノーベルの秘書兼家政婦でもあったが、その報いで平和賞をもちろん受賞したわけではない。彼女の小説『武器を捨てよ!』(1889)を契機にした国際的な平和活動への貢献によってである。

 

ジョージアグルジア)には、熱愛した夫と共に数年暮らしていて、そのときの集合写真が切手のデザインに採用されている。

 

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アメリカ「イノベーション」切手

アメリカ切手頒布会の先月(2020年12月)の分に含まれていたもの。イノベーションといえば、シュンペーターという脊髄反射しがちですが(笑。

 

郵趣』の2021年1月号に椙山哲太郎氏の解説が掲載されているので、それに依拠すると、アメリカのような切手の発行量を多くしなければいけない国では特殊加工の切手は珍しいとのこと。ホログラム加工されている。

 

正直、図案が分かりにくくなる以外にどんな効用があるのかさっぱりわからない切手ではある(笑。図案には太陽電池、回路基板、免疫系細胞、DNAクロマトグラム、バイオニック義足が描かれている。

 

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ストラディバリ誕生375年

 2020年12月ののWorld Topics(郵趣サービス社が行っている切手頒布サービス)は、北マケドニアストラディバリ誕生375年切手、パキスタンの日本の国際協力切手、ロシアのカラシニコフ生誕100年切手でした。このWorld Topicsはほぼ毎月、世界の最新の切手三枚を選んで、それに一枚ごとにリーフにして詳細な時事的な側面を加えて解説を書くという趣向です。専用アルバムもまだ在庫があるみたいで重宝しています。ただそのうちなくなる可能性もあるだろうから予備でもう2個ぐらい買うかなw

 

今回の三枚のうち二枚は、この頒布されるちょうど直前に切手の博物館ショールームでみて買うかどうか迷ったもの。ただパキスタンのものは、この頒布サービスがわりと日本と海外との関係を顕彰する切手をとりあげる傾向にあるのでやめたら、まさにビンゴで驚きました。

 

ストラディバリの方はかなり迷ったけど、同じ原画からデザインしたイタリア切手の傑作が念頭にあり、そちらを所有しているので人物切手収集の観点からは二の次になってしまいました。違うデザインなら即買ったかも。ただ迷った二作がこう手に入るのはやはり嬉しい。

 

ところでなんでストラディバリの生誕375年が重要で、そもそもなんで北マケドニアなんだろうか? よくわからなかったですw

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