赤いマリアンヌ切手の話題
フランスの経済学異端派の雑誌のお知らせをうけてるんだけど、切手の話題かな、と一瞬思ったが、そうでもあるといえるしそうでないともいえる。
https://alternatives-economiques.fr/fin-timbre-rouge-sonne-t-glas-poste/00105825
関連する日本語での解説
https://info.ensemblefr.com/news-847.html
ジョン・ラスキン記念切手(マン島発行)
経済学関連の人物切手で、重要なものがマン島から出ている。ジョン・ラスキンの切手で、マン島とのゆかりを象徴している六枚組のもの。
ラスキンは1871年に聖ジョージ・ギルドという自給自足の共同体を創設し、さまざまな地域での試みに資金提供を行った。その150年記念切手。マン島では、Egbert Rydingsによる織元に資金を提供し、マン島の伝統的な職人芸の保存を試みた。上段左の切手は、その工場の外観。ラスキン自身の肖像は各切手の左端に共通で、この1sTのものには、Egbert Rydingsの肖像がある。
上段右側の切手は、ラスキンの有名な標語「There is no wealth but life生命にまさる富はない」が書かれ、それが「社会的正義」をヴィクトリア朝時代に志向されたものとデザインされている。
下段左端は、聖ジョージ・ギルドが管理するラスキンランドが描かれている。イングランドのウスターシャー州にあるワイヤ・フォレストにある。今日における環境保護に対するラスキンの貢献を示す。
参照:Ruskin Land in the Wyre Forest - The Guild of St George
下段左から二番目は、ターナーの「カレーの桟橋」の一部をデザインしていて、ラスキンの美術評論家としての側面を表す切手。ラスキンは『近代画家論』のターナー論を通じて、やがてより積極的に社会評論に接近していく。以下は「カレーの桟橋」の全景も。
右から二番目の切手は、ラスキンの知人であったマン島の芸術家: J・M・ニコルソンの「ヴェネツィアへの旅ー芸術家の変身ー」 。ヴェネツィア行きをラスキンはニコルソンにすすめて、1882年にヴェネツィアへ。ニコルソンの簡単な評伝は以下が参考になる。
» John Miller Nicholson: a Manx National Artist iMuseum
右端は、ラスキン自身の水彩画で、イギリス沿岸に生息する甲殻類のベルベット・クラブを描いたもの。
ラスキンは当時の経済学批判でいまも知られるが、今回この切手の解説を書くために勉強して、本当に活動が広範囲なのに驚嘆した。